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論文は、第1章 論文「心はどこにあるのか?」の概略と補足の説明、第2章 心理空間、第3章 なぜ「私」は生み出されたのか?の3部から成り立っており、B5サイズで44ページとかなりの分量になります。そこでpdfファイルで読んでいただく方が読みやすいかと思いますので、このページの最後にpdfファイルへのリンクをはっておきます。そちらを参照していただくことをお勧めします。ここでは、論文の「まえがき」と「第1章第1節」の一部を掲載しておきます。


まえがき

このテーマからは哲学の話なのか?宗教の話なのか?それとも道徳の話をしようとしているのか?疑問に思われるかもしれません。しかしそうではありません。すでにネットに「心はどこにあるのか?」という論文をアップしてありますが、今回の論文はその続編ということで、科学の立場から「私という存在」を更に掘り下げる試みです。

「心はどこにあるのか?」の論文を既に読んでくださっている方には不要かと思いますが、まずはその論文の概略と補足の説明を行い、次に今回の論文の本題に入りたいと思います。なお、論文「心はどこにあるのか?」、並びにのちほど引用する論文「見えるとは何か?」と「私とは何か?」のURLは「あとがき」に記しておきます。


第1章 論文「心はどこにあるのか?」の概略と補足の説明

(1−1)見かけの世界

すべての出発点は目の前に見えている世界は脳の活動によって生み出された、言わば「見かけの物質の世界」である、という事実の理解から始まります。これが前述の3つの論文の第1の論点でした。その事実からは、目の前に見えている自らの身体も脳の活動によって生み出された、言わば「見かけの身体」でるという事実が導かれることになります。更には、「脳の活動によって生み出された世界を心の世界と定義する」とした場合、それら目の前に見えている自らの身体を含めた世界は「心の世界」ということになります。もちろん物質の世界と肉体としての身体が存在するという前提条件のもとでの話です。

目の前に見えている世界が物質の世界ではなく、見かけの物質の世界であるということは比較的理解しやすいことであり、哲学、心理学そして認知科学などを専門にする人以外でも、そのように主張する人は案外数多くおいでです。しかし目の前の自らの身体が脳の活動によって生み出された見かけの身体であると主張する人の数は少ないようです。私自身、目の前の世界が見かけの物質の世界であることは比較的早い段階で理解できていたのですが、脳の活動によって生み出された見かけの物質の世界が、なぜ自らの身体の外に存在しているのかは謎でした。目の前に見えている自らの身体を肉体としての身体である、と思い込んでいたわけです。その謎が解けたのは案外簡単な理由からでした。

目の前に見えている世界が物質の世界であるとするといろいろと矛盾が生じますが、その1つとして「色についての反例」を挙げることができます。つまり、色は物質の世界には存在しない。物質としての対象で反射した電磁波は眼の網膜に像を結び、電気信号に変換されて脳に到達する。その脳の活動によって色は生み出され、それが目の前の世界を彩っている。従って目の前の世界は物質の世界ではなく脳の活動によって生み出された見かけの物質の世界である、という論理です。この論理を延長すれば、目の前に見えている自らの身体にも肌色という色が見てとれる。従って目の前の身体も脳の活動によって生み出された見かけの身体である、ということになります。もっとも、これだけの説明でみなさんを納得させることができるとは思っていませんが、目の前の自らの身体の解釈が目の前の世界の理解を妨げているのは間違いないでしょう。

目の前の世界を物質の世界であるとすると、いまお話した「色についての反例」のようにいろいろと矛盾が生じます。同様に目の前の身体を肉体としての身体であるとすると、やはり矛盾が生じます。その詳細については前述の論文「心はどこにあるのか?」の第3章第4節、あるいは「私とは何か?」の第3−2項で詳しく説明していますので、そちらを参照していただければ幸いです。

今回の論文は、目の前に見えている世界も自らの身体も、脳の活動によって生み出された「見かけの物質の世界」、そして「見かけの身体」であるという出発点からの話になります。「馬鹿らしくて付き合いきれない」と思われるかもしれませんが、しばらくお付き合いいただければ幸いです。単なる思い付きや推測の話をするつもりはありません。理詰めで話を進めていくことになります。


PDFファイル

次のリンクをクリックすることで、PDFファイル(B5サイズ)にアクセスすることができます。


Link to the PDF-file: "なぜ私は生み出されたのか?"


1−2 自己紹介

余りに常識離れした話であることから、エセ科学の危ない人物の話ではないかと思われるかもしれませんので、簡単に自己紹介をさせていただきます。私(白石 茂)は早稲田大学(東京/日本)大学院博士課程(心理学専攻)を経て、都内の大学で非常勤講師(心理学担当)を長年務めて参りました。

専門教育を受けているからといって、その人の考えが科学的だという証には必ずしもならない、ということは重々承知しています。ただ口はばったいことを言うようですが、客観的な事実の積み重ねで論理を展開する訓練は積んできたつもりです。一度本文をご覧になって、批判的に読んでいただければと思っています。


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ご意見・ご感想

一般常識と真っ向から対立する内容であることから、「何を馬鹿げたことを」という反論もあろうかと思います。

また、「読んでいて分かりづらい」というご指摘もあろうかと思います。どのようなことでも構いません。ご指摘頂けたら幸いです。それらの反論、ご意見に対しましては返信を差し上げたいと思います。また、改定版を出す際に参考にさせて頂きたいと思います。

ご意見などは、下記の「ご意見・ご感想」をクリックして、Eメールにて送って頂ければ幸いです。

「ご意見・ご感想」

論文のアドレス


日本語版:心はどこにあるのか? 脳によって仕掛けられた難解なトリック

URL:  https://www.where-mind-j.com (A4版110ページ)

(注:論文はPDFファイルで110ページとかなりの分量ですが、分かり易い解説を心がけています。)

English version: Where is the mind?  A hard trick set by the brain

URL:  https://www.where-mind-e.com (110pages on A4 paper)


日本語版:私とは何か? 脳によって仕掛けられた難解なトリック (A4版30ページ)

URL:  https://www.what-am-i-j.com (A4版30ページ)

(注:論文「心はどこにあるのか?」の第4章第3節を重点的に解説しています。A4版30ページほどで、ホームページ上で読めるとともに、PDFファイルをダウンロードしても読むことができます。)

English version: What am I?  A hard trick set by the brain

URL:  https://www.what-am-i-e.com (30pages on A4 paper)


日本語版:見えるとは何か? 脳によって仕掛けられた難解なトリック (A4版30ページ)

URL:  https://www.what-visible-j.com (10pages on A4 paper)

(注:謎解きのすべてのスタートは「見えるとは何を意味しているのか?」を理解することにあります。この点に焦点を当てて簡潔な解説を心掛けています。)

English version: What is being visible?  A hard trick set by the brain

URL:  https://www.what-visible-e.com (10pages on A4 paper)


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